チーム医療News 心理版

発行:2012-10-31
チーム医療News 心理版

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<< 誰の話を聴くべきか? >>
From:川辺 晶弘
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「主婦ってたいそうなご身分だな」

「女性は感情的だから、イライラして子どもを怒るんだよ」

「俺は仕事で幾多の修羅場を乗り越えてきた。
仕事に比べたら育児・家事なんて大したことない!」

これらは、私が育児・家事とそれを行うお母さんに対して、
数年前に思っていたことです。

実はここ数年、家庭事情もあり、二児の育児・家事のほとんどは 
私がやっていた。

そこで、僭越ながらお父さんとして育児・家事をやってみての
思いをお伝えしたいと思います。


■ やってみて思ったこと?

いきなり結論です。

育児・家事を本格的にやってみての感想を一言でいうと?

「 た い へ ん 」です。


更に思うことが育児に対して、

「 も 〜 す ご い た い へ ん 」です。

「仕事も大変だけと、同等かそれ以上かも・・・」

打ちのめされた感じです。


早朝、子供たちが寝ている間に仕事。

その後、弁当作りなどの家事をこなす。

同時に、まったく言うことをきかない子どもたちとの格闘。

保育園の送りの頃にはもうヘロヘロ。

その後、職場に行くのがやっとで、しばらく仕事のことは
考えられない。

夕方、保育園に迎えに行く頃には、倒れそうで「ふ〜」
「は〜」とため息ばかりついている。

買物をして家に戻ったら最後の力を振り絞る。

その後は爆睡。

更に、子ども達が小さい頃は、夜鳴きなり、ミルクなり、
オネショなりで寝たくても寝られない・・・



とくに育児は想定外のことが沢山起きるのです。

非合理的で、無駄だらけで、手間隙かかる。

オムツを替えたらウンチをする。

上の子の熱が下がったと思ったら下の子が熱。

壁や床に、マジックで落書きする。

壁紙をはがす。

本や雑誌をビリビリにやぶる。

鼻に物を入れて取れなくなる。

ジュースやヨーグルトは床にこぼす。

ベランダからオシッコをする。

電車の床で、寝転んでギャーギャー駄々をこねる。



「このバカチ〜ン!」

心の底から引っ叩きたくなる。

それなりに私は情緒も安定していると思っていましたが、
こんなに感情に起伏があるんだとビックリ。



■ どれだけわかっているのかお父さん?

育児・家事の大変さはもとより、更に仕事も両立している
お母さんには本当に頭がさがります。

こんなことずっとやっていたのですか?


うちは2人ですが、これで子どもが3人、4人ともっといたら
と思うとゾッとします。

冒頭で言っていたことは完全に撤回。

なんて無知でアホなものでしょうか?



何かのドラマで観た夫婦ケンカのシーンを思い出します。

「誰のおかけで、飯が食えていると思っているんだ!」
お父さんが怒鳴る。

しかし、
「誰のおかげで、あんたは仕事に行けていると思っているのよ!」
お母さんが切り返す。

当時は意味がわかってませんでした。

でも、今は身にしみるお言葉です。



私の父親世代あたりは、家のことなどまったくしない人達が多い。

しかし、偉そうにこんなこと言うことがあります。

「子育てたるもの○○である」

「母親たるもの□□であるべきだ」

何がどれだけわかっていて、こんなことが言えるのでしょか?



私の父も会社を経営していました。

「俺は沢山の人間を使ってきた男だ!」

仕事でどれだけ頑張っているかは知りませんが、息子(私)1人の
心も掴むことができませんでした。

ましてやお母さんの心は?



■ このままでは捨てられる!

先日のメルマガで、人は話を聴いてもらいたいし、理解もされたい、
そんなことを書きました。

育児・家事でヘロヘロな私が欲したものは?

「あなたはよく頑張っている。本当にお疲れさま。

そして、そのおかげで子ども達も元気に育っている。

ただ、あなたあっての子ども達だから、 あまり無理をしないように。

何か出来ることや手伝えることがあったら気軽に言って」


実際に手伝ってもらえなくてもいいです。

自分の愚痴を聴いてもらって、大変さを理解してもらって、更に
、こんな労いをもらいたい。

私がこんな気持ちになったのは初めてのことでした。


「疲れているんだ・・・ 家にいる時ぐらい静かにしてくれ・・・」

お父さんは手伝いばかり話も聴かない。

「おい! ビール冷えてないぞ!」

そればかりか偉そうなことや文句だけは言う。



「ゴミも捨てずに、役に立たない!」

「誰がビールなど注ぎますか? 勝手に飲みなさい!」

「炊事洗濯してもらってるだけでも、ありがたく思いなさい!」

私もそんなお母さんの気持ちが少しわかりました。

こんなにギャップがあれば、夫婦中睦まじくいくわけありません。



「年金がもらえるようになったら・・・」

「子ども達が大きくなったら・・・」

「仕事が見つかったら・・・」

熟年離婚に限らず、虎視眈々と企みたくなる気持ちもわかります。


朝は出かけ際にゴミを捨てる。

ビールと食事は自分で用意する。

出来る範囲で育児を手伝う。

そして、お母さんのグチを聴いて労いの言葉をかける。


お父さん。これらのことはしていますよね?

イクメンですよ? 知っていますよね?

「え!」と思った父さん。今からでも間に合います。


まずは、お母さんの話を聴いて、棒読みでもいいから労いの言葉を
かける。

そんなことから始めてみましょう!

何年かぶりに、ビールくらい注いでくれるかもしれませんよ。

あくまで、捨てられたくなければの話ですが・・・

そういう私も気をつけます。


以上です。


================【 編 集 後 記】 =====================

サラ川・・・

私がこの詩に心揺れるようになったのは結婚後。

更に、子供ができると。

「あ〜 俺だけじゃないんだ・・・」

「もっと 凄いお父さんもいるんだ・・・」

と心癒されました

そこで、私もつくってみました。

 << 第1回 メル川コンクール! >>

◆作品1
『 聞かれます 愛妻弁当? 自愛です 』 

◆作品2
『 妻メール 買出し命令 品名のみ 』

◆作品3
『 何かある? 出された食べもの 期限切れ 』

◆作品4
『 とーちゃんの!  指さす先は 第3ビール 』

◆作品5
『 誕生日 金出し買出し 全セルフ 』

◆作品6
『 衣替え 自分でやらなきゃ ずっと半そで 』

◆作品7
『 お小遣い 生きてるだけで 赤字です 』

以上です。